華やかな電飾や映像、音響に彩られる各種ゲームに比べ、ショーの中では少々地味な印象もある各種部品や関連商品。けれども実際の店舗オペレートを考えた場合、これらは欠かすことのできない重要な要素となってきます。そうした部品、関連商品で今回注目したいのが、メダルゲームのメダル貸し出しに関する各種認証システムです。パーツゾーン関連各社による出展ではありませんでしたが、最新の技術に支えられたこれら認証システムは、3社がそれぞれ違ったタイプのものを出展。大きな注目を集めていました。

 『メダルセーバーX』(日邦産業)は、話題の顔認証システムを採用したもので、低照度高解像度CCDカメラにより目の位置、輪郭で個人を識別します。また、電車券売機で活用されている赤外線遮断式タッチセンサーを備えたスタンドアロンタイプです。開発進捗度30%という仕様で出展されましたが、会期中の登録・認証ミスなどは皆無と識別精度は安定しています。認証中や払い出し中の待ち時間にはモニターにさまざまな情報を流すことができ、PRツールとしても活用できます。将来的には同社のロケ管理システム「賢太くん」との連動も視野に入れているそうです。『マイサイン』(エイブルコーポレーション)は、顧客の手書きサインで認証するタイプです。ペンタブレットを手持ちのPCにつないでサインを書いてもらうと、X・Y軸、筆圧、記入速度などで個人を識別します。メダルカウンターにPCとともに設置しておけば、メダル管理とともに顧客の来店データやプレイ状況も即時に履歴表示される手軽ながら効率的なシステムです。『メダルバンクJr』(日本ユニカ)は新型指紋センサーを搭載した認証システム。全国で稼働中の「メダルバンク」で培った技術を昇華した新型センサーは、小さな指にも対応できるようにした幼児対応となっています。また、メダル業務ではなく、店内金庫のセキュリティシステムとして『ネットワーク対応指紋認証金庫』(日本ユニカ)も出展されています。

 他には課金の新システムも登場しています。『キャッシュレスバラエティ課金システム』(日本ユニカ)は、いまや必須アイテムとなった携帯電話による課金を可能にするシステムです。筐体に設置したセンサーで携帯電話の液晶明滅などで個人を認証、課金は携帯業者・クレジット会社・プリペイドカード方式などを活用する予定です。もうひとつは、料金完全後払いを実現する『ATOシステム』(タカラアミューズメント)。ICカードを筐体のセンサーに近づけるとクレジット追加やメダル貸出が可能となり、退店時に精算する方式です。ゲーム機別の料金設定などの運営サービス、消費税率の変動や新紙幣導入などこれからのロケ運営に有効なシステムとして期待されています。

 この他、パーツゾーン関連の出展製品傾向で着目したのは、昨今の「カードを使用したゲーム」の増加により脚光を浴びることとなった「カードベンダー」です。セイミツ工業は、材質や厚さ等を問わず様々な物を払い出すことができるマルチタイプのベンダー「ヒッパレード」の最新機種となる『ヒッパレード4CCV-009(4券種対応)』他を出展。またマリンゲームも6券種対応のカード販売機『カード君』を、旭精工ではOEM対応するカード販売機『CSV-1200』『CV-400』を出展するなど、この分野はカードを使用するゲームの増加に比例するように注目度を増しています。また、これらピックアップした以外にも、ボタンやレバー、鍵、セレクターにプライズマシン用装飾なども三和電子、セイミツ工業から展示され、おなじみの即売会も好評です。
     
ユーザーの顔で認証する『メダルセーバーX』(日邦産業)。ゲーム感覚で進行する演出、インフォメーション画面表示などで飽きさせない工夫が特徴です。開発はシステムゲッツ。

手書きサインで認証する『マイサイン』(エイブルコーポレーション)は、PCにペンタブレットを接続、アプリケーションをインストールするだけで使用可能になる。日立エンジニアリングサービス開発。

携帯電話の画面で個人を認証、クレジットなど複数の精算システムでキャッシュレスを実現する『キャッシュレスバラエティ課金システム』(日本ユニカ)。

非接触ICカードで退店時の精算を行なう『ATOシステム』(タカラアミューズメント)。3月中旬には導入2号店となるタカラアミューズメント中川店が名古屋市にオープンする予定です。

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