マルチターミナル仕様の大型ビデオゲームが隆盛を迎えていますが、今回はさらに顕著に、より多機能になった感があります。『アヴァロンの鍵』(セガ)は、トレーディングカードを使った対戦型ボードゲームをビデオゲームに昇華させた新機軸です。スゴロクマップのチェックポイントを目指して、4人のプレイヤーが“鍵”を争奪するという流れで、40枚一組のトレカを使用します。カードゲームは、世界中に幅広いファンを持っているだけに新客層を呼び起こす期待が持てます。『r.p.m.RED TunedCarChampionship』(コナミ)は、各ターミナルのハンドルコントローラが迫力の最大8人参加可能なドライビングゲーム。エントリーカードとマシンカードの2種類の磁気カードを使用します。e-AMUSEMENT対応で、まさに日本最速の称号をかけたレースが楽しめます。また、トーナメント対戦が楽しめるクイズゲーム『QUIZ MAGIC ACADEMY』(コナミ)、プロ麻雀連盟の監修による『麻雀格闘倶楽部2日本プロ麻雀連盟Ver.』(コナミ)がe-AMUSEMENT対応オンライン対戦仕様となっています。他には、『セガ4人打ち麻雀MJ ネットワーク対戦Ver.』(セガ、ビデオ出展のみ)も発表されました。

 完成品ビデオゲームでの注目は、ニンテンドーゲームキューブの互換機版「トライフォース」基板を使用した『F-ZERO AC(仮称)』です。その圧倒的なスピード感によりコンシューマで10年来の人気を誇るF-ZEROシリーズが初めて業務用に移植されました。コンシューマとのリンクシステム、セガと任天堂のコラボレーション、久し振りの可動筐体など多くの話題性が来場者の目を引いていました。定番シリーズ作では、『バーチャコップ3』(セガ)、『タイムクライシス3』(ナムコ)と2大ガンシューティングがそろい踏みしました。いずれも安定したインカムが見込めるだけに、注目度が高いようです。また、新ジャンルを開拓したのが『ee'MALL(イーイーモール)』(コナミ)です。麻雀格闘倶楽部やpop'n musicシリーズなどe-AMUSEMENT対応ゲームで貯まるポイントを使用して買い物をするというもので、レアな曲を購入、pop'n music9にフィードバックして演奏するといった遊び方ができます。e-AMUSEMENTの機能をさらに拡大させるため、導入オペレーターにとっては魅力的です。『甲虫王者ムシキング』(セガ)は、キャラクターカードや技カードをバーコード形式で読み込み、昆虫キャラで対戦する子供向けビデオゲームです。対戦方法はジャンケンですが、トレカの要素や昆虫のオーバーアクションなど楽しめる要素が多く高評価です。

 基板ビデオゲームでは、『式神の城II』(タイトー)、『ボーダーダウン』(セガ)のシューティング2タイトルが高い完成度を誇り、オペレーター・コアユーザーの人気となっています。他には、e-AMUSEMENT対応の『ワールドサッカーウィニングイレブンアーケードゲームスタイル2003』(コナミ)、アトミスウェイブ基板の横スクロールアクション『ドルフィンブルー』(サミー)が注目タイトルです。

 今展示会で勢いが感じられたジャンルはメダルゲームといえます。マスプッシャーにRPGの要素を盛り込んだ『ドラゴントレジャー』(セガ)は、その中心となるタイトルです。メダルを投入することで、液晶画面内のダンジョンを自キャラが進行、モンスターとの対戦やアイテムを拾いつつクリアを目指すというもので、専用ICカードでキャラ育成や異なるシナリオモードの選択などができます。ゲームの融合によって、既存のゲームジャンル区分を打破するタイトルだけに、来場者による列は絶えることがありませんでした。また、メダルが宙を舞うような動きをするなど演出が多彩なプッシャー『ファンタジックフィーバー』、スロット機能をバージョンアップして前作の面白さを凌ぐ『フォーチュンオーブ 第2章 伝説の宝珠』、あらゆる面で過去のシリーズを集大成した『GI-TURFWILD』、CPUとの対戦など競争することにフォーカスしたビンゴ『OVAL ARENA』など、コナミのマスメダル機はいずれも試プレイの人垣ができていました。シングル機では、パチンコと麻雀の面白さをうまく融合させた『ボール雀三國志』(エイブルコーポレーション、友栄)が注目製品です。オペレーターの前評判が高かった同製品は会場でも人気を博しています。他では、アニメやキャラクターの特性をうまく落とし込んだSC向けキッズメダルが注目されています。

 その他のジャンルでは、スケールメリットにより“お菓子の洪水”を実現したシリーズ新作『ビッグスウィートランド』(ナムコ)、必携アイテムのカメラ機能付き携帯電話から画像を取り込みシールを出力する『ケータイdeプリクラ 写ミ〜ゴ』(アトラス)と『プリモード』(エイブルコーポレーション、タイトー)が長い行列を作っています。
     
新機軸タイトルのボードゲーム型ビデオゲーム『アヴァロンの鍵』(セガ)。カードリーダーは使用できない状態だったが、その面白さと可能性は期待できます。120分待ちという行列をつくるほどの人気です。
(c)Hitmaker/SEGA,2003

e-AMUSEMENT対応で日本最速を決定できる多人数参加型ドライブゲーム『r.p.m.RED TunedCarChampionship』(コナミ)。自動車・パーツメーカーとの提携でリアリティ感が高いです。
(c)2003 KONAMI
Nissan, Fairlady Z, Skyline, Silvia names, emblems and body designs are trademarks and/or intellectual property rights of Nissan Motor Co., Ltd.and used under license to KONAMI Corporation.

任天堂とセガのコラボレーションタイトル『F-ZERO』。コンシューマですら感じたあのスピード感は、大画面・可動筐体によりさらに充実した。純粋に楽しめるドライビングゲームです。
(c)2003 Nintendo (c)AMUSEMENT VISION / SEGA,2003

新システムのウェポンセレクト(武器チェンジ)システムを搭載、システム246で斬新な演出を満載した『タイムクライシス3』(ナムコ)。ハンドガン、マシンガン、ショットガン、グレネードの武器チェンジは迫力です。
(c)2002 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

RPGとプッシャーの融合が新ジャンルを生んだ『ドラゴントレジャー』(セガ)。ソフトハウスのひとつオーバーワークスが初めてアーケードに参入してきたことも大きな話題となっています。
OVERWORKS/SEGA,2003

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